吹奏楽連盟の合同演奏会

今日は、市の吹奏楽連盟の合同演奏会でした。
この合同演奏会ですが、市内の小学生から社会人までの吹奏楽団やジャズ楽団が集まって開催される、吹奏楽連盟主催の合同演奏会です。もっとも、合同演奏会とはいうものの、合同で一緒に演奏をする訳ではなく、進行スタイルはコンクール方式なのですが。
時期的にもコンクール直前、会場も中学や高校生の地区大会が行われるホール、制限時間もコンクールと同一、という"好条件"のためか、演奏曲目も各団体の今年の課題曲と自由曲が中心で、「合同演奏会」というよりも「合同ホール練習会」といった雰囲気でした。
 
私たちの楽団の出番はトリだったのですが、今日は舞台転換スタッフに当たっていたため、朝からホール舞台裏に詰めていました。普段はあまり中学生や高校生の演奏を聞く機会が無いし、あえて聞きたいとも思わないのでので、舞台裏からですが久しぶりに中学生や高校生たちの生演奏を耳にしました。
という訳で、舞台裏で各団体の演奏を聞いた感想と、今日の演奏会の総括講評を。

舞台裏で演奏を聞いた感想

(注意:残念ながらマイナス評価ばかりなので、ここから下はあまり読まない方が良いかもしれません。あまりにも演奏がアレだったので、自分を律するための「他山の石」として、ブログに記録を留めておきました)
 
 

1.まずは演奏以前の問題

上手いバンドかヘタなバンドかは、わざわざ舞台上での演奏を聴かなくても、控え室の使い方や打楽器の搬入搬出、舞台裏での待機、舞台上への着席などを見れば、見事なまでに判ってしまうものです。ちなみに今日の合同演奏会ですが、残念ながらほとんどの団体はこれらの点に関して「銅賞」もしくは「失格」レベルでした。
「爪楊枝一本で学校が崩れる」は大げさだし、そこまで細かく拘る必要はありませんが、もう少し演奏面以外の行動を見直してみた方が良いのでは、と感じました。
 

2.マーチがマーチになっていない

(もちろんマーチ以外の曲に対しても色々と演奏上の問題点を感じたのですが、あまりにもマーチが気になったので。)
今日は多くの団体がコンクールに備えて、自由曲と課題曲を演奏していました。今年は課題曲がマーチの年ということで、多くの団体の課題曲マーチを聴きましたが、残念ながらマーチがマーチになっていない、そもそもマーチが何たるかを判っていない団体が多すぎるように感じました。
舞台上では「お前ら、本当にそれで行進できるんか?」といった演奏が平然と、しかも次々に繰り広げられました。いくら譜面ヅラ通りに綺麗に正しく美しく音楽が流れていても、その音楽から湧き上がるような躍動感が感じられないマーチなんて、所詮は「マーチのようなもの」でしかありません。
今年のコンクールは課題曲がマーチの年ですが、いくら自由曲が上手くても、課題曲であるマーチがダメダメだったら、ダメ以外の結果は得られません。別にコンクールやコンクールの結果はどうでも良いのですが、たった三年間だけかもしれませんが、せっかく吹奏楽というスタイルで音楽をやっているんだから、せめて吹奏楽の基本であるマーチをしっかりと演奏できるようになって卒業して欲しいものです。まずは構造が比較的分かり易いマーチから練習を始め、しっかりとマーチの基本を学んで欲しいものです。
 

3.クラリネットの音が微妙

(もちろんクラリネット以外の楽器に対しても色々と問題点を感じたのですが、あまりにもクラリネットが気になったので。)
自分の担当楽器だからかもしれませんが、どこの団体も概してクラリネットが下手に感じました。なんか鳥の首を絞めたようなキンキンした音や、ペチャンコに潰れたような薄っぺらい音、芯のないヘナチョコな音、無理してガーガー吹いている汚い音が、舞台上からたくさん漏れ聞こえてきました。
クラリネットは音を出すのは簡単ですが、良い音を出すのは本当に難しい楽器です。正直、プロの吹奏楽団の演奏でもクラリネットの音に関しては「えっ!?」と感じてしまうことが多々あるように、吹奏楽クラリネットセクションが良い音を出すのは非常に難しいことなのですが。プロですら微妙ですし、多くの学生バンドが奏でるクラリネットセクションの音が問題だらけということは、中学生の頃から延々と『問題抱えまくり』と言われ続けて早十数年の私の音っていったい。
舞台裏で演奏を聞いていて、「クラリネットって、絶対にそんな音がする楽器とは違うって!」という怒りの感情と同時に、「客席には、自分の音があんなクソみたいな音よりもさらに悪い音で聴こえているんだ」という焦燥感に苛まれてしまいました。
吹奏楽の音の芯はクラリネットクラリネットセクションの音がしっかりまとまって綺麗な音で鳴ってくるように目指して欲しいものです。」と、きれいごとを書いて終わらせてしまうのは簡単ですが、もっと実効性のある「何か」が必要なんでしょうね。
 

4.もうコンクールまで2週間ありませんよ?

今日の演奏会の実態は「合同演奏会 兼 コンクール直前合同ホール練習会」という訳で、コンクール直前のホールリハを兼ねていた訳ですが、それにしては多くの団体の演奏からは、とてもコンクールまで二週間を切っているような切迫した雰囲気がまったく感じられなかった訳ですが。もちろん、中には数団体「もうすぐコンクールなんだ!」と感じさせてくれるような演奏をしている団体がありましたが。

多くの団体は地区大会で落ちてしまう訳で、残念ながらほとんどの団体にとって、あと2週間しか「二度と味わえない、青春を賭けた夏」は残されていないのです。が、、、演奏からはとてもそんな雰囲気は感じられず、酷い団体になると「初見演奏ですか?」といった雰囲気すら漂っていました。この調子じゃ、せっかく「地元の利」を活かして地区大会の会場で事前ホールリハを行えたうちの市内の中学・高校たちですが、確実に残念な結果が待っていそうです。
県大会に進めるのはいくら頑張っても地区で数校だけですし、結果は結果で仕方がないのですが、結局は何もしない(できない)まま夏が終わってしまうのって、あまりにもアレだと思いませんか? こんな調子じゃよく吹奏楽部出身者が口にする「夏の思い出、コンクール」なんて、口が裂けても言えませんよ? あと「たった二週間だけ」なので、思いっきり青春の情熱を練習に傾けて欲しいものです。