コッペリア

次回の演奏会で演奏するコッペリアですが、あらすじですが、下記の通り

いやぁ、某評論家氏に「この『フィギュア萌え族』が!!」として罵倒されそうなお話です。
 
パッと見た感じ少女のように美しく精巧な人形(=人間の少女のような顔だちで、人間の少女のような衣服を着せられた等身大のフルアクションフィギュア)作りに精を出し、いつかはその人形に魂を吹き込もうと画策する美少女フィギュアオタクのコッペリウス博士。現代日本であれば「いい年こいて秋葉原に足繁く通う美少女フィギュアおたく」として認識され、幼女連続誘拐殺人事件が発生した時に警察から真っ先に取り調べられる程度でしょうが、19世紀のポーランドで美少女フィギュアヲタをするのは、人造人間の発明をたくらむマッドサイエンティストとして、そして畏れ多くも神の姿に似せて作られた人間を自分も作り出そうと試みる宗教的異端者として、その存在を抹殺されてしまう危険性があったことでしょう。
ちなみにコッペリアの原作小説はE.T.A.ホフマン「砂男」。最近ではヲタクの象徴としてフィギュアに愛着を示す「電車男」の姿が描かれていましたが、そのはるか以前から「砂男」が存在していたとは!
 
ちなみに村人たちから見たコッペリウスの印象ですが、

人形作り職人のコッペリウスは、村の人たちから変人扱いされている陰気な老人である。
http://www.moeginomura.co.jp/FB/coppelia.htmlより

陰気で変わったヲタ老人ですか(w そして、なぜ若者たちがコッペリウス博士宅に侵入できたかといえば、

夜になって出掛けたコッペリウス博士が村の若者達に絡まれて、家の鍵を落としてしまったのをスワニルダとお友達が見つけて、コッペリアの事を探ろうとみんなでコッペリウス博士の家に忍び込んで行きます。
http://blog.goo.ne.jp/hiro093/e/3db0392823e5d39e573eb3135498e2abより

これって現代風に言えば「オタク狩り」ですよね・・・
 
モンタギュー家とキャピュレット家が血で血を洗う抗争を繰り広げる中で、モンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエットが愛を誓い、運命に翻弄され、最期は悲劇的な結末を迎え、争いの虚しさを知った両者が和解する「ロミオとジュリエット(ウィリアム・シェイクスピア作)」を現代(当時)アメリカ風にアレンジし直した作品といえば、ポーランド系移民の非行少年グループ「ジェッツ」とプエルトリコ系非行少年グループ「シャークス」が血で血を洗う抗争を繰り広げる中で、ポーランド移民のトニーとプエルトリコ移民のマリアが愛を誓い、運命に翻弄され、最期は悲劇的な結末を迎え、争いの虚しさを知った両者が和解する「ウエスト・サイド・ストーリ」ですが、「コッペリア」を現代風にアレンジし直せば、なかなかヤバい作品ができそうです。