吹奏楽でのポップス演奏

吹奏楽では、野外やイベントでの演奏など、あまり吹奏楽に詳しくない一般の方の前での演奏を行なうとき、ディズニーや映画音楽などといった一般の方にも良く知られている、いわゆる「ポップス曲」を中心とした演奏プログラムを組みます。私も演奏している側も楽しくなるポップス曲が好きなのですが、このポップス曲の演奏、実は大きな落とし穴が存在しています。

吹奏楽で取り上げるポップス曲ですが、吹奏楽オリジナルの曲とは違い、吹奏楽について詳しくない一般のお客さんも含めて、多くの方々が知っている曲なのです。多くの方々が知っている曲ということは、その曲を耳にされたお客さんの頭の中にはその曲のイメージが存在しているということです。要するに、お客さんの頭の中にある演奏よりも素晴らしい演奏を行なわないと「下手な演奏」と思われてしまうのです。というわけで、誰もが知っているような有名な曲を演奏することはとても難しいことなのです。
特にポップス曲の場合、吹いている人間も譜面を渡される前から既によく知っており、吹いていて楽しくなってしまうためか、いわゆる「何となくこんな感じだろう」という「手抜き演奏」が非常に多いような気がします。しかし、それでは「楽*1しく演奏」ではなく、「楽*2して演奏」になっちゃいます。「知っている曲だから大丈夫」と思い込まず、もう一度よく曲の内容を確認してから演奏したいものです。ポップス曲の手抜き演奏は一般の方々にも下手だとすぐ見抜かれてしまうので、絶対にやってはいけない演奏です!

たとえ演奏内容はメチャクチャでも、何気に熱くてノリの良さげな演奏であれば愛嬌もあるのですが、ときどきこの上なく寒いポップス演奏を耳にします。そんな演奏を耳にしたとき、同じ吹奏楽をやっている人間として、こちらまで情けない気分になってしまいます。いくら縦横のラインが合っていたとしても、能面のように無表情で情熱のこもっていない演奏を聴かされれば、聞いている側として音楽を楽しむどころか、むしろ苦痛を感じてしまいます。その上、そういった「寒い演奏」のほとんどは縦横のラインまでズレてるし! まったく聞けたものじゃありません。早い話が「どうせポップスだし、以前から知っている曲だからまぁ吹けるだろう」といって手抜きされた演奏なんて、この世には必要ありません!

ポップス曲を演奏する時は、まずは音楽というものに対して誠実に取り組み、それと同時に楽しく演奏したいものです。
ください(汗)

*1:たの

*2:らく