笑ってコラえて

昨日、「笑ってコラえて秋の音楽祭“吹奏楽の旅"これが俺のコンクールバンドだ!!スペシャル」を観ました。
しかし俺のコンクールバンドって、タイトルからして突っ込みどころ満載のような気が。。。 まぁ、実際に「俺のコンクールバンド」なところがほとんどなので、それはそれで非常に正確な表記法なのですが。
 
さて、昨日放映されたのは、福井県立武生東高校、石川県立金沢桜ヶ丘高校、柏市立柏高校、洛南高校の4校でした。
この番組を見てまず最初に驚いたのが、コンクールの舞台上にデカデカと掲げられた朝日新聞社旗が日本テレビ系列で放映されたこと(汗) さすがに舞台全景を写す以上、旗だけを隠す訳にはいきません。課題曲が「朝をたたえて」でなくて非常に残念です、という冗談はさておき本題へ。
 
まず最初に、福井県立武生東高校が紹介されました。武生東といえば「日本一ファンキーな吹奏楽部」を率いる顧問のJBおるが先生こと植田先生。むかし、大学時代に一度だけ武生東の演奏会を見に行ったことがありますが、おそらく私が見に行った吹奏楽の演奏会の中で五本の指に入る印象深い演奏会でした。(ちなみに最も印象深い演奏会は中学時代に見に行った淀川工業高校の演奏会)。とにかくハチャメチャ! なおかつ上手い!
おっとりとしたバンドでしか吹奏楽経験を過したことがない私にとっては、武生東高校の演奏会は刺激的であり、いろいろと驚かされたステージでした。私も一度はハチャメチャでファンキーなバンドで吹奏楽生活を送ってみたかったものです。
今年の武生東高校の自由曲は「コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディー(P.ウイリアムズ作曲)」。いやぁ、植田先生らしい選曲です。
 
次に紹介されたのは石川県立金沢桜ヶ丘高校。この高校ではコンクールメンバーを選ぶ苦悩が紹介されていました。吹奏楽の編成人数は特に固定されておらず、「部員の数=編成人数」という状態で活動を行なっていますが、ことコンクールに限ってはそういう訳にはいきません。吹奏楽コンクールの高校の部には1団体あたり50人までという制限があるため、それを超える部員は残念ながらコンクールに出場することができません。
そこでコンクールメンバーの選抜を行うわけです。この選抜方法には情実による選抜(楽器のバランスや腕は考えず、とにかく最上級生は全員出してあげよう)と実力による選抜(各楽器ごとの人数を決めておき、その中で各楽器ごとの上手いヤツが出場する)があるわけですが、実力による選抜の場合、ヘタな人間は一度もコンクールに出ないまま卒部してしまうこともありえる訳です。
私が今まで在籍していた楽団は、

中学・高校
そもそも制限人数に全然足りていないので小編成の部(定員30人)に参加。30人を超えても大編成の部なら50人も出られるので、制限人数を超える部員が在籍している他校がうらやましい限り
大学・一般
制限人数を超えているが、クラリネットの人数が比較的に少ないので出れやすい

という感じでした。
私よりもずっと上手い他パートの人が人数制限で出られないのに、クラリネットの人数が少ないからといってヘタな私が出るのは非常に気まずいものです。
 
次に紹介されたのは柏市立柏高校。「つまようじ」で話題になった学校です。この「爪楊枝騒動」って、なんだかなぁ。。。
今年の柏高校の自由曲は「吹奏楽のためのムーブメントⅡ『サバンナ』(石原忠興作曲) 」。こんな勝ちにくそうな曲でコンクールに出るとは、チャレンジャーです! この曲も派手な効果音を多用していますが、数年ほど前にコンクールの高校の部を聞きにいったとき、かなりの学校が歌付きの曲(ぐるりよざ、絵のない絵本etc)を自由曲として演奏していたため、思わず「ここは合唱コンクールの会場ですか?」と思ってしまいました。
ここの学校といえば、メーターを使ったピッチ合わせが印象的でした。「基本的にはメーターを使わず、音を聞いてあわせるように」と言われて育ってきたので、ちょっと違和感を感じてしまいました。もっとも、どちらにしろ結果的にピッチがピシっと合えばよいのですが。
 
最後に紹介されたのは京都の洛南高校。私の通っていた高校の吹奏楽部も、洛南と同じように男子校で毎年部員数が少なくて運営に苦労していたため、昔からこの学校の活動には注目していました。(もっとも、演奏レベルや頭のレベルは大違いなのですが(汗 )
洛南といえば、「洛南イリュージョン」。「トロンボーンなのになぜフルート!?」、「さっきまでクラリネット吹いていたのに、なぜB.D.を叩いているの!?」など、演奏する楽器が次々と変わることで毎年波紋を呼ぶ学校です。「よくあれだけ演奏中の舞台上を走り回って事故が起きないなぁ」と思っていたら、案の定、今年は事故ってましたね・・・
「洛南イリュージョン」を見るたびに、「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」という箴言を思わず思い出してしまいます。人数が少なくても、工夫次第でいくらでもやり方はあるのですね! 「人数が少ないから(以下略)」と不満を言っているような楽団では、いつまで経っても素晴らしい楽団には成長できません。
ちなみに顧問の宮本先生は今年で定年とのこと。淀工の丸谷先生ももうすぐ定年です。先生が変わって一気にダメになってしまった学校を星の数ほど見てきた私としては、この二校が今後どうなってしまうのか、非常に心配です。