ブロックMとK点を越えて

「ブロックM」といえば、「K点を越えて」が課題曲になった時に「この曲の冒頭ってブロックMと似ている!」と話題になりました。
K点を越えてといえば「スピード競争」。この手のマーチって四分音符120〜132あたりの標準的なマーチテンポで演奏するよりも、煽れば煽るほどそれらしく聞こえるものです。K点の指定テンポは四分音符120〜126でしたが、「可能な限り速く演奏すればスピード感溢れるマーチになって格好良い!」ということで、当時は全国各地でやたらと早いK点越えを耳にしたものです。
そういえば当時、NHKで淀川工業高校吹奏楽部の活動に密着するという特集番組を放送していました。その時に淀工が演奏していた課題曲が「K点を越えて」でした。
当時はK点の話題で盛り上がったものですが、もう6年も前の課題曲、今の中高生の殆どは「K点を越えて」を演奏した事が無いのかと思うと、時代の移ろいの速さを感じてしまいます。

K点を越えて

行進曲「K点を越えて」という曲ですが、この曲の作曲者である高橋伸哉氏が、長野冬季オリンピック・スキージャンプ競技での日本選手たちの活躍に感銘を受けて作曲した曲だそうです。

 1998年、長野冬季五輪における日本人選手の活躍は、私達に数多くの感動を与えてくれた。中でも、スキー・ジャンプ団体戦の勝利は、特に印象深いものであった。
 曲名にある「K点」とは、スキー・ジャンプ競技の用語で、ドイツ語のKritisch Punkt(英:Critical Point)の頭文字「K」に由来し、着地における極限点を意味する。元来危険とされるはずのK点越えも、今日では勝敗の分かれ目となることが少なくないという。
 そのような極限点に、恐れることなく挑み続ける選手達の勇気を讃えるべく、この作品を書いた。と同時にこの曲が、日々練習に励まれている演奏者の方々への、ささやかなエールとなれば幸いである。
行進曲「K点を越えて」の解説より

とのこと。ちなみにK点を越えたジャンプを行うと危険なため、風向きなどによってスタート開始位置を調整し、K点に届かないように飛距離の調整を行なうそうです。
「K点を越えて」も速く演奏すればするほど軽快に聞こえるのですが、あまり速くなりすぎて限界を超えたテンポで演奏すると、曲が崩壊してしまう危険性が。こちらもK点越えは危険なようです。