どんな分野でも難しいアレンジ問題

パイパーズでも取り上げられた匿名ネット掲示板ですが、該当スレを見てみるとアレンジ問題で盛り上がっていました。
オケ曲の吹奏楽へのアレンジへの批判を、小説の映画化や映画のドラマ化といったメディアミックスと比較して反論する投稿が見られますが、残念ながら現在の吹奏楽界でよく見かけるアレンジは、弦楽器のパート譜を管楽器に書き換えているだけで、「アレンジ」と呼べるシロモノでないような気が。
オケの音をイメージし、吹奏楽団が演奏しているのに、あたかも目の前でオーケストラが演奏しているかのようなオケのような響きが鳴るように書き換えるのではなく、思いきって吹奏楽向けの響きで鳴るようにアレンジしてくれれば、それはそれで意義があるし、面白いことなんですが。個人的にはそういった意味で、鈴木英史氏の編曲スタイルには好感が持てます。

未来少年コナンの場合

さてメディアミックスといえば、大学時代、「未来少年コナン」のテレビ放映版と、映画版の両方を続けて見たことがあります。「コナン」といえば、今のお子様たちにとっては「名探偵コナン」ですが、我々にとっては「未来少年コナン」なので。。。
この映画版の未来少年コナンがまた凄い!!!
映画版といえば、映画用にストーリーを再構築したものを連想しますが、こちらの映画はなんとテレビ放映版(全26話約700分)を無理やりカットして123分に収めた「だけ」という、驚きのシロモノ!! しかも無理やりカットの辻褄を合わせるためか、色々な場面をメチャクチャに繋ぎ変えているし! さらに音楽は全く違う雰囲気のものに変えられており、当時「私たちのアルプス」という言葉を知っていれば、「これって『私たちの未来少年コナン』かよ!」と思わず叫んでしまいそうな状態でした。
wikipediaにも【後に再編集されて映画化されたが、その際には製作スタッフの意図に反して編集されたため問題になった。】と記載されているので、おそらく当時も「この映画って何やねん?」という声が巻き起こっていたのでしょう。
 
ちなみに「未来少年コナン」の音楽担当は池辺晋一郎氏だとのこと。へぇ・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E5%B0%91%E5%B9%B4%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%B3

原作ファンからの批判

小説を原典とした映画などを世に出すときには、原作ファンの手厳しい批判と比較にさらされる運命にあります。「コアな原作ファン」が多いと考えられる指輪物語ナルニア国ものがたりの映画化にあたっては、「批判できないような素晴らしい映画を作ってもケチを付けられるし、原典を大幅にカットしないといけないのでカットした部分が好きな原典ファンの批判を浴びることになるし、少々拙い部分でもあったら鬼の首を獲ったかのように批判される」という状況なので、映画化スタッフに対して耐えられないほどのプレッシャーがあったことでしょう。