楽隊のうさぎ

今日、以前吹奏楽界でも話題になった小説である「楽隊のうさぎ」を購入しました。

楽隊のうさぎ (新潮文庫)

楽隊のうさぎ (新潮文庫)

まださわりしか読んでませんが、ここまでの話を。

この小説ですが、時は1996年*1、全国大会(=普門館)を目指すようなレベルの中学校に、ふとしたきっかけで入部し、パーカッションに配属されてしまった、引っ込み思案の男の子が主人公の小説です。
全国大会を目指すレベルの中学校という点を除けば、どこにでもありそうな中学校の、どこにでも居そうな吹奏楽部の男子部員の心の動きが描写されており、なかなか面白そうな小説でした。
読み進めていくうちに、私自身の中学校時代の思い出や、はじめて吹奏楽部の部室で楽器に触れた日の思い出、はじめて出場したコンクールの思い出が脳裏をよぎりました。
 
さて、この中学校がこの年(1996年)のコンクール出場曲として選んだのが、課題曲5番「交響的譚詩〜吹奏楽のための」(露木正登)と、「ハンガリー民謡『くじゃく』による変奏曲」(コダーイ)でした。 中学生が譚詩に孔雀か! さすが全国レベルの学校は違うぜ!
それにしても譚詩ですよ、譚詩。公共的端子!(違うっ) クラリネットが難しすぎ! ソロまであるし! だからこの年の部長がクラリネットという設定なのか?
「だいたい課題曲の曲名からして、克久には読めなかった*2」との記述もありますが、当時大学生だった私も、はじめは「譚詩」を何と読むかわかりませんでしたし。それにしてもP104からの交響的譚詩の描写には、あたかも目の前で交響的譚詩が演奏されているかのような息を呑む思いがしました。やっぱり小説家は文章を書くプロですよね。
 
ちなみにこの年の課題曲はどんなんだったかと調べてみると。

  • 課題曲1 「管楽器のためのソナタ」(伊藤康英)
  • 課題曲2 般若(松浦欣也)
  • 課題曲3 クロマティック・プリズム(松尾善雄)
  • 課題曲4 はるか、大地へ(上岡洋一)
  • 課題曲5 交響的譚詩〜吹奏楽のための(露木正登)

、、、あの年だったのね、譚詩の年って。「楽器を始めて1〜2年(以下略」という、いまどきの生ぬるい課題曲が霞んで見えるような激しい陣容です。
ちなみに私の入っていた楽団は5の「交響的譚詩」を演奏したのですが、いま私がこの中から一曲だけ選ぶのだったら、4の「はるか、大地へ」を選択したいなぁ。RPG系な曲調が好きだし。

ちなみに、うちの奥様の入っていた楽団は3の「クロマティック・プリズム」を演奏したそうです。さらに余談ですが、この年は私の入っていた楽団とうちの奥さんの楽団とが同じ自由曲(「舞踏組曲(バルトーク)」)を演奏したそうです。ちなみに私の担当楽器はアルトクラ、うちの奥さんの担当楽器もアルトクラ。
・・・・・・・・・・夫婦揃って「アルトクラ」とは、また微妙。いやぁ、「運命の赤い糸」って本当に存在するんですね(ぉ

というわけで大幅に脱線してしまいましたが、小説はまだまだ続くみたいなので、明日も車内で読書をしよう。

*1:この学校が演奏した課題曲が「交響的譚詩」だったので

*2:楽隊のうさぎ(新潮社)P76