アロハ合奏団の思い出

先日、アロハ合奏団の不定期演奏会に並クラリネット&アルトクラリネットで出演しました。
さてこのアロハ合奏団ですが、よくハワイアン音楽を演奏する楽団と勘違いされます。私も最初に「アロハに出るから見に来てね〜♪」と知人に声をかけたとき、「えっ、たるるってハワイアン音楽も演奏するの?」と聞き返されてしまいました。
この楽団を知らない方のためにご説明すると、「アロハシャツ着てコンクール出ようか(公式ホームページの記載より)」という他愛もない会話から結成されたという、なかなか 微妙な ユニークな経緯を持つ吹奏楽団で、別にハワイアン音楽を演奏するために結成されたバンドではありません。
 
このアロハ吹奏楽団(当時の名称)が初めてその姿を現したのは、1997年の夏に兵庫県養父郡八鹿町(現・養父市)の八鹿町民会館にて開催された兵庫県吹奏楽コンクールでした。
この日は私も別のバンドでコンクールに出場しており、自分の出番が終わったあとに客席で他団体の演奏を聴いていましたが、アロハが登場すると同時に会場を包み込んだあの何とも言えない衝撃を、今でもよく覚えています。ちなみにこの日、アロハが自由曲として演奏した曲は「スターウォーズ」でした。
さてコンクールといえば、今も昔も脳味噌が沸騰しそうになるくらいにまで練習した曲を引っさげ、夏のクソ暑い時期にもかかわらず黒黒のフォーマルな上下を着て勝負に臨む、吹奏楽界の人間にとっては年に一度の決戦の場ですが、そんな妙なテンションに包まれる会場に、場違いなアロハシャツを着て、「スターウォーズ」という(真面目なコンクール的には)不真面目な曲を引っさげて颯爽と現れた怪しげなな集団・・・ 正直申しまして、最初この集団を見たとき、思わず「何じゃ、こいつらは!?」と思ってしまいました。
 
普通、こういったイベント系バンドの演奏はあまり期待できないのですが、このアロハはそこらへんの普通のイベント系バンドとは違っていました。演奏は荒削りで、コンクールという観点からすればちょっと厳しい演奏だったかもしれませんが、個人的にはインパクト面だけではなく、音楽面でもこの日の演奏の中でピカイチだったと覚えています。
「コンクールでこんな演奏をしてしまうアロハ吹奏楽団って何者なんだ!?」 演奏が終わった後、あまりの衝撃にしばらく席で固まりついてしまいました。そして「自分もいつの日か、このアロハに出ている人たちのような音楽を奏でられるようになりたい!」と思いました。
以来十年、まだまだ当時感動させられたような音楽を奏でることはできませんが、少しでも近づけるように頑張りたいです。