うさぎとトランペット 第2楽章:顧問転勤でクラブ崩壊

===ネタバレ注意===


前作の舞台となった「花之木中学吹奏楽部」ですが、顧問の転任と共にクラブがガタガタになってしまったそうです。顧問の転勤と共にガタガタになってしまった吹奏楽部って現実の世界でも頻繁に見かけるだけに、この部分の話を読んだときには、かなり「おぃおぃ」という気分になってしまいました。
言葉は悪いですが、中学校の吹奏楽部って95%が顧問の力で成り立っているような存在です。そのため、世間から素晴らしいバンドと評価され、全国大会に毎年出場しているようなバンドであっても、クラブの95%を支えていた顧問が転勤してしまうと、とたんにクラブ運営に行き詰まってしまうのです。残念ながらこれが現実です。
偉大なる前顧問の後釜として吹奏楽部の顧問に据えられてしまった人って、はっきり言って悲惨だそうです。その新顧問自体がよっぽど指導実績のある人でもない限り、その中学校の演奏レベルは新顧問の就任と共に急激な右肩下がりを起こすことが目に見えているからです。高校生であれば、OBの指導なども仰ぎながら生徒が自主的に動くことによって、ある程度のレベルを維持することも可能なのでしょうが、中学生にそれを求めるのは酷な話です。いくら吹奏楽の名門と呼ばれる中学校であったとしても、その新顧問自体がよっぽど指導実績のある人でもない限り、どう足掻いたって「演奏レベル右肩下がり」してしまい、2〜3年後には「どこにでもある普通の中学校の吹奏楽部に逆戻り」という結末が待っています。
 
クラブ活動の指導に情熱を燃やされている先生も多いそうですが、「顧問は引き受けるけど、クラブの指導に力を割きたくない」と考えられている先生も多いそうです。残念なことだとは思いますが、だからと言って「もっと力を入れてクラブの指導をしろ」とも言えません。学校の先生の本職はあくまでも学校の先生、クラブ活動を熱心に指導をされている先生は大いに結構なのですが、クラブ活動の指導にそれほど熱心ではない先生に対して「日常の校務や私生活の時間、休みの日を割いてまでクラブ活動の指導に力を入れてください」なんて、やっぱり言えません。
でも、やっぱり吹奏楽部に在籍している全ての中学生たちに、私などが受けてきたように、音楽的にも人間的にも熱心な指導を受けさせてあげたいし・・・ 難しいところです。