応援団

私は大学生のころ応援団に所属(ただし吹奏楽部・・・ 以下特に明示なく「応援団」と書けば、いわゆる大学応援団のリーダー部*1を意味します)していたのですが、そんな私が非常に気になったニュースが飛び込んできました。


さて「数十年前の応援団に非常によくありがちなニュース」といえば、こんな感じの「暴力事件」と「事件による解散処分」。

うんうん、非常によくありがちなニュースですよね。

でもこのニュース、数十年前に起こったニュースではなく、今朝の新聞に載っていたニュース。数十年前ならいざ知らず、この時代に部員の暴力行為で応援団が解散処分ですか!

この中でもっとも詳しく記載されている京都新聞の記事によると、

 大学によると、2006年9月に福井県で行われた応援団の合宿で、宿舎内で演舞を練習中、リーダー部の当時3年生の部員が2年生の部員のほおを平手で1回たたいた。学生にけがはなかったが、部の運営に疑問を持ち、昨年4月に学生部に相談し、学内のハラスメント防止委員会に申し立てた。

 委員会は昨年12月に学生部に改善を勧告、学生部はリーダー部の活動を停止させるとともに調査委員会で対応を検討。総長、理事、学部長などで構成する補導会議が3月19日付で部の解散処分を決めた。加害学生に対しても所属する学部教授会が戒告処分とした。

 リーダー部は03年にも「気合を入れる」と称し、上級生が下級生を壁に押しつけ意識を失わせる暴力行為で半年間の活動停止処分を受けており、「行為自体は軽いかもしれないが、わずか3年で再び暴力を振るったことと、すぐ大学に報告しなかったことは大きな問題」(***学生部長)とし、解散という厳しい処分となった。
お知らせ : 京都新聞より(人名等は一部省略しました)

とのこと。


このニュースを見て、私も「このご時世、人に対して手を上げるような行為は絶対に許されないんだろうけど、応援団なんだし、平手一発だし、ケガもしていないし、ましてや刑事事件にもなっていないし、彼らの間ではよくある愛のムチ的なものだし、いくらなんでも解散処分は厳しすぎるのではないか」と思ってしまいました。でもこのご時世、そんな応援団の内輪な見解は外部に対しては通用しないようです。

つい先日、関東の方の大学の応援団では部内の暴力が集団的なイジメに発展し、その結果イジメを受けた団員が自殺してしまうという事件が発生しており、またこの大学の応援団でも3年前に上級生が下級生を壁に押しつけ意識を失わせるという暴力事件が発生し応援団は半年間の活動停止処分を受けており、そのときに「団内で暴力行為が再発したら団を解散する」という旨の誓約書を大学当局側に提出しているそうで、約束を裏切られた形となった大学当局は「精神的な面をことさら強調する応援団の在り方によって暴力行為が起こった」と判断し、今回の非常に厳しい処分を下したようです。

たしかに応援団は、その伝統として、今回のような事件に発展しかねない風潮を持っていると思います。応援団らしい伝統を護りつつ、その伝統をいかに現代の日本社会で許容される範囲に適応させていくのか、バランスを取るのが非常に難しい問題だとは思いますが、大学生ならではの若い力と柔軟な思考で乗りきって欲しいものです。


さて応援団が解散になると、その巻き添えを食らうのが残りの二部(吹奏楽部とか、チアリーダー部とか)。こちらはこの手の「数十年前の応援団に非常によくありがちな解散処分」のとおり、リーダー部とは関係なく活動を続けていくそうですが、ある大学のように応援団に残るにしろ、またある大学のように応援団から独立するにしろ、これからしばらく非常に大変な時期になるかと思いますが、なんとか無事にこの危機を乗り越えて、そしてできれば応援団として残って欲しいものです。


この手の「数十年前の応援団に非常によくありがちな解散処分」には実は続きがありまして、「何故かしばらくすればと、まるで何事も無かったかのように応援団が復活している」のが過去の例なのですが、ただでさえ応援団気質が敬遠され団員が激減しており、世間も「大学生だから」とお目こぼしをしてくれないこのご時世、はたして再び元のような三部体制に戻せるのか、見守っていきたいと思います。

*1:リーダー部/指導部/応援指導部等